トップガーデンの「 社内コンペ方式 」って何?外構業界では珍しい複数設計士による提案の秘密

外構リフォーム業界でも珍しい「 社内コンペ方式 」を採用する株式会社トップガーデン。
従来の1対1の提案スタイルとは一線を画すこの手法が、なぜ多くの顧客から支持されているのか?
本記事では、実際に社内コンペ方式を採用している株式会社トップガーデンの設計士・小林さんに、その全体像について詳しくお話を伺いました。
リアルタイム3Dパースでお客様に寄り添う提案スタイル




──社内コンペ方式について教えてください。

まずはお客様からのヒアリングです。どんな外構にしたいか、どんなお庭を作っていきたいかという内容をお聞きします。
そこから設計士の経験知識を活かして、お客様の要望を点と点を繋いでいく作業を丁寧に行います。
設計士の経験知識はかなり属人性が高く、それぞれ異なるアイディアを持っています。
それらを一挙にお客様にご提案できるという点がメリットです。これがトップガーデンが選ばれる理由、成約率の増加に繋がっていると思います。
──社内コンペには平均で何名くらいの設計士が参加されるのですか?



平均2〜3名ですね。2人のケースが多いです。
──お客様からヒアリングした内容をもとに、2〜3名の設計士で案を作っていくと思うのですが、設計案は平均でどの位の時間がかかるのでしょうか?



だいたい2日から3日ですね。
──2〜3日の期間で、2〜3名の設計士が各自の案を出してお客様にご提案という流れですか?



そうですね。その内訳としては、例えば1日目に、他の設計士とお客様の要望やヒアリング内容をしっかりとすり合わせをしていきます。ストーリーを考えます。
「 お客様にはこういうのが良いのではないか 」「 では、自分の方はこういう設計をしよう 」と言った具体に。しかし、もしかしたらお客様は別のことも望んでいるかもしれません。
そうした可能性も含めて設計士同士で打ち合わせを実施し、それぞれ別の方向性のプランを出していくのが1日目です。2日目はその制作に取りかかって、進捗をお互いに確認をしながらプランを作っていきます。
──2日目は実作業のようなイメージですね。



そうですね。そして3日目に案をお客様へお出しします。途中で積算も行いますので、見積もりを作る際に予算オーバーしてしまった場合は修正することもあります。
そのため、おおよその提出期限としては1週間を目安にしていただいています。大型物件の場合は2週間ほどいただくケースもありますね。
設計士の個性が生み出す多様な提案
──例えば、お客様から「 予算200万円ぐらいで駐車場をおしゃれにしたい 」「 玄関周りをおしゃれにしたい 」といった要望があった場合、設計士Aさんと設計士Bさんで、全く異なる提案が出てくるのでしょうか?



設計士によって偏りが生まれる部分もあります。最近の流行りの外構スタイルというものがあるので、設計士たちは、そうしたトレンドを研究しています。
──調べてということですね。



その通りです。「 こういうスタイルが流行っている 」という情報があるため、プランがお互いに似通ってしまうことがあります。
そうした場合は設計士同士で打ち合わせを実施し、「 こういうスタイルもあるが、こちらのスタイルもあるから、そちらの方向で分かれていこう 」という調整を行います。やはり話し合いは必要になってきます。
成約率向上の秘密:断片的な要望を形にする力
──お客様からの断片的なヒアリング、要望をどのようにまとめているのでしょうか?



お客様のヒアリング内容や要望は、どうしても断片的になってしまいます。「 これがしたい 」「 これもしたい 」「 あれもしたい 」といった具合に、全体が繋がっていないことが多いのです。
それを「 このようにするとどうだろう 」「 こちらの方向でいくとどうだろう 」といった形で、複数のパターンを一挙にお見せできます。ファーストインプレッションのインパクトは、相当大きいと思います。
──小林さん自身は設計士という立場ではありますが、お客様との会話の中で逆提案のようなことはするのでしょうか?



営業的な提案も行います。お客様のご要望をそのまま取り入れると、このような結果になってしまいますが、設計の観点からこういった懸念がありますので、このようにした方をおすすめします、といったメッセージをお伝えすることがあります。
お客様には「 なるほど 」と納得していただけることが多く、こうした対応が他社との差別化になっていると思います。
競合他社との差別化要因
──価格比較だけでなく、スピード感も重要な要素なのでしょうか?



そうですね。価格比較という要素もあるかもしれませんが、お客様の要望をいち早く形にできるという点が大きいと思います。
価格比較の段階まで行く前に決まってしまうケースが多いです。他社との違いは、そのスピード感も影響していると思います。単純に価格比較だけでなく、スピードなども重要な要素です。
印象に残るお客様とのエピソード
──今まででお客様へ多くの提案をしてきたと思いますが、小林さん自身が接したお客様の中で、印象に残っているお方はいますか?



最も印象に残っているのは、1回目の提案でプランを非常に気に入ってくださったお客様です。断片的なヒアリング内容を初回で形にした際、「 これだったんです!」と言っていただけました。
ずっと他社も探していて「 違う、違う 」と思っていらしたそうですが、私が作ったプランを見て「 まさにこれが欲しかったんです 」と言ってくださり、大きな変更もなく契約に至りました。
「 楽しみです 」と言ってくださるときは、設計士冥利に尽きると感じます。
──そういう時は、お客様から感謝の言葉をいただくことも多いのですか?



工事完成時に一緒に立ち会いをして、一緒にお茶を飲んだりすることもあります。「 この空間、やはり良いですね 」といった会話になることもあります。
庭とは何だろうという根本的な話になることもありますが、これだけ外構設計を手がけていると、それぞれの空間の使い方の提案になってくるのです。
お客様にそれを気付いていただけたのかな、と感じる瞬間です。
初回提案での課題と対応
──社内コンペ方式でご提案をした中で、お客様から「 想像していたものと違う 」と言われることはありますか?



初回はどうしてもそういうことがあったりします。その場合は提案を練り直します。ただし、もう一方のプランである程度、提案を補填できたりするケースもあります。
最後に
株式会社トップガーデンが採用する「 社内コンペ方式 」は、設計士の経験知識を最大限に活用し、お客様の断片的な要望を具体的な形にする手法です。
複数の視点からの提案により、お客様の潜在的なニーズまで掘り起こし、高い成約率を実現しています。
従来の1対1の提案では見えなかった可能性を、チームの力で可視化する。トップガーデンの社内コンペ方式は、外構業界における新たなスタンダードになる可能性を秘めています。
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